●NUTEC IAME X30
逆転で優勝した皆木駿輔
優勝賞金300万円獲得!!  　

イベント最高峰となるX30クラスには41台がエントリー。今季の全日本に参戦していた選手はもちろん、フォーミュラなどに参戦していた選手も、シーズンオフということもあって久しぶりのカートレース参戦となる姿も見られた。

X30のレースフォーマットはQPの結果により4グループに分け、総当り予選を実施。予選ポイントにより予選総合順位をつけ、奇数順位がプレファイナルA、偶数順位がプレファイナルBで出走。プレファイナルでの獲得ポイントを予選総合と合算し総合順位とし、決勝進出者を決定するというもの。国際レースに採用されているフォーマットで、イメージとしてはMAX FESTIVALに近い方式だというとわかりやすいだろう。

2組に別れたQPでは、鈴木悠太が総合トップタイムをマーク。2番手には2021年に世界選手権OKクラス2位を獲得した実績を持つLuigi Coluccioが組別トップでつける。もてぎ初体験のColuccioだが、日毎にコースにも慣れタイムアップを果たすところはさすがだ。

土曜日に行われた総当り予選では、やはり好調の鈴木が出走全ヒートをトップチェッカーとし総合トップ。Coluccioが2/2/3位で総合2位、総合3位には1ヒートトップだった菊池貴博が続く。日曜朝のプレファイナルではA組は鈴木、B組は皆木駿輔がトップチェッカーを受ける。総合結果では鈴木がトップ、2番手Coluccio、3番手菊池、4番手に元田心絆が続いた。

迎えた決勝。好スタートを見せたのは鈴木。オープニングラップを悠々とトップで終えると、独走へと持ち込んでいく。その鈴木を追ったのが7番手からスタートした皆木。早い段階で2番手に上がると、じわじわと鈴木との差を縮めていく。

レースが中盤を過ぎ終盤へと差し掛かるところで、ヘアピンでインに飛び込んだ皆木。若干の接触はあったものの先頭を奪うことに成功すると、その後は鈴木を突き放す走りを見せ、単独での周回へと持ち込んでいく。そのまま逃げ切った皆木は、年末のビッグイベントを制し優勝賞金300万円を獲得。2位に鈴木、3位にColucioが続いた。また40歳以上の最上位に贈られるオーバー40賞は総合12位の久保誠が獲得し、賞金を獲得した。

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●BUZZ RACING YAMAHA SS
松尾柊磨、地元もてぎで完勝！ 　

SSクラスは19台がエントリー。主にもてぎ選手権のSSクラスに出場している選手だが、西地域からの遠征組も見られた。

QPトップタイムをマークしたのは山下優、2番手に織田大和が続く。3グループ総当りとされた予選ヒートでは、全日本も出場している小野大地が3/1位で総合トップを獲得。2番手に山下、3番手には都出夏希が上がってくる。1グループで行われたプレファイナルでトップチェッカーとなったのが、予選で1ヒートリタイアとなり総合9位だった松尾柊磨。小野とのバトルに競り勝ち、プレファイナルトップチェッカー。これにより総合結果では小野が決勝のPPを獲得し、2番手に都出、3番手山下、4番て松尾と並ぶこととなった。

決勝は早めに仕掛けた松尾がトップに浮上すると、その勢いのまま小野以下を引き離していく。小野は単独で2番手を走り、やや離れ須藤虹富、都出、山下らが3番手争いを展開していく。
トップの松尾は、レース後半には完全に独走体制を築き上げ、そのまま逃げ切ってチェッカーを受け優勝。2位に小野、3位にはバトルに競り勝った須藤が入った。

●YAMAHA CADET
劇的な逆転！ 阿部瑠緯が優勝！ 　

13台が出場したカデットクラス。このクラスは、予選で組分けがなく、2ヒート制が採用されている。

QPトップタイムはもてぎのカデットチャンピオン阿部瑠緯。2番手にチームを移籍した林樹生、3位にロイド海翔と続く。予選ではロイド海翔が2ヒートともトップチェッカーでプレファイナルのPPを獲得。2番手に阿部が続いた。プレファイナルでは5番手スタートだった新橋武がトップチェッカー。2位に阿部、3位に林と続く。

迎えた決勝ヒート、カデットらしいバトルが続く中、抜け出していったのがロイド海翔。それを阿部が追っていく。幾度か阿部が前に出る場面もあったが、すぐにロイド海翔が逆転すると、そのまま最終ラップを迎える。

要所要所でインを閉めるロイド海翔。このまま抑えきるかと思われた最終セクションのヘアピン。インを閉めるロイド海翔に対し、わずかにラインが見えたのかさらにインに飛び込む阿部が逆転。全国大会での雪辱を果たすかのような逆転優勝を飾った。2位は悔し涙にくれたロイド海翔、3位に新橋が続いた。

▲X30クラスを制し賞金300万円を獲得した皆木駿輔

▲PFまでは誰も太刀打ちできず完璧な流れだった鈴木悠太だったが、決勝で勝利がこぼれ落ちる（X30）

▲世界選手権表彰台の経験も持つLuigi Coluccioもさすがの走りを見せ、日本人ドライバーに刺激を与えた（X30）

▲41名が集まったX30クラスの参加選手（X30）

▲40歳以上に贈られるオーバー40賞は久保誠が獲得（X30）

▲独走でSSクラスを制した松尾柊磨はアンダー15賞も獲得

▲PPからスタートした小野大地は決勝で逆転され2位（SS）

▲終始バトルとなった3番手争いを制したのは須藤虹富（SS）

▲SSクラスには19人が参加した

▲劇的な逆転を見せた阿部瑠緯がカデットクラス優勝し、アンダー10賞も獲得

▲あと一歩で優勝だったロイド海翔は悔しい2位（CADET）

▲PFを制した新橋武が決勝3位に食い込む（CADET）

▲カデット決勝前、F1ドライバーの角田裕毅がグリッドで激励

▲カデットクラスは13人が参加