データでみる全国大会


SL全国大会のエントリーリストが発表されたので、その公表データを元に色々と考察していくことにしよう。

※今回の全国大会には6クラスに述べ158台がエントリーしており、そのうち数名の選手がWエントリーしていますが、今回はそれらそれぞれを【一人】としてカウントしています。

【年齢】
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まず、最初に目につくのが年齢だろう。最年少は当然カデットクラスからとなるが、今回は9歳が3人エントリーしている。この3人が最年少ということになる。
最年長はレジェンドクラスにエントリーしている小田宗孝で74歳。70代以上は小田一人となっている。

158人の平均年齢で見ると27歳。これは意外に良いエリアに入っているといえる。 ただし、年齢分布を見ると全く異なる印象を受けるだろう。 グラフを見ても分かる通り、圧倒的に多いのが11〜15歳。この層だけで全体の37%を占める人数となっている。

さらに20歳以下をまとめると約60%を占め、やはり若いドライバーが多いことがわかるだろう。 さらに16〜20歳が16人いるにも関わらず、21歳以上となると21〜45歳までを足しても22人と一気に減ってしまう。

実際には18歳ころから減少しているため、大学進学や就職、親からの資金援助の終了、さらには結婚、出産などの人生イベントが続くことで、なかなかモータースポーツを続けることが難しい世代なのだろうと推察される。

もちろん、SLからMAXへ転向した選手も多いだろうが、それらのカテゴリーでも決して20代の選手が多いとは言えない。この世代を如何に継続させる&この世代からの新規参入を促せるか。それが今後の課題となるはずだ。

例えば、その一つの回答が昨今人気を高めているMZかもしれないし、地域によっては開催&人気の高いFDオープン等もそこを狙えるのかもしれない。

その人数が回復してくるのが46歳以上からで、ここから再び世代ごとに二桁人数が参加している。特に50歳以上の世代は、ちょうど10代後半から20代前半の頃がセナ&プロストなどF1ブーム=カートブーム世代となり、その頃にカートを始めて以降、継続している人たちから、子育てなどが終わり復帰する人、また若い頃にはできなかったので、余裕もできた今、挑戦している人などだろう。

世代的には、F1ブームの効果もあり、モータースポーツとの親和性の高い世代だと捉えることもできる。

【シャシー】
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続いてシャシーを見ていこう。もちろん、ワンメイクのTIAジュニアクラスは省いて集計している。さて、SLで使われるシャシーは何が多いのだろうか?

もっとも、シャシーはショップごとにメインに扱っているシャシーに一定の流れもあるため、SLで熱心に活動しているチームが勧めるシャシーが多く見られる傾向となる。

そういったことも念頭に入れて見る必要はあるが、今回はbirelARTが最多の29台。これは、後述のチームごとの人数でもわかるのだが、やはり地元のSuper Racing Junkie!の力が大きいだろう。

そのbirelARTに匹敵しているのがトニーカート。SL以外のカテゴリーを見ても、常に使用数上位に入っているTONYKARTは、日本でもっとも人気のあるブランドといって過言ではない。

さらに3位にはコスミック、6位タイにEXPRIT、さらにはLN、REDSPEED、FA-KART、GILLARD、また登録をOTKとしている選手もいるため、OTKグループとしてカウントするとbirelARTをダブルスコア以上で引き離す台数だ。

4番手にプラガが入るが、ぶるーとなど人数が多いチームが使っていることが大きい。5位のパロリンはやはりカデット人気の高さが数字に現れている。

今大会では、実に26ブランドものシャシーが登録されているのも、いってみれば多様性を示しているとも言えるだろう。

【クラブ】
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SL全国大会は個人だけではなくクラブNo.1を決める大会でもある。クラブ賞は、遠方エントリーにはプラスのハンディ係数、近隣クラブにはマイナスのハンディ係数が与えられるが、いずれにしてもクラブ賞を狙うのなら多くの人数をまんべんなく各クラスへエントリーさせ、上位を獲得するのがいい。

では、人数を見ていくと、やはりトップはSUGOを地元とするSuper Racing Junkie!だ。SUGOで全国大会がある年はここを最大の目標に活動しているチームで、今回は全クラスにドライバーを送り込み16台をエントリー。

2位につけたのが愛知のチームぶるーと。地元となる石野サーキットでTIAジュニアを熱心に活動するぶるーとは、15台中9台がTIAジュニアへのエントリーとなっている。前回のSUGO大会開催時も、TIAジュニアになるとぶるーとのチームカラーである青のマシンが多くなったが、今回も同じ風景が見られそうだ。また、ぶるーとは一昨年に行われた前回のSUGO開催時でも、同じようにTIAジュニアへ大量エントリーし、その成績でクラブ賞1位を獲得した実績もある。

3位は昨年のクラブ賞1位のAshで11台。カデットからレジェンドまで幅広い年齢層のドライバーが揃う。さらに名門WELLSTONEは大人ばかりで9台、ハラダカートクラブも9台が遠征。

クラブ1位は、これまでウェルストン、ぶるーとがそれぞれ3回で最多となり、Ashは2回で2番手につけている。こちらの最多争いも注目のポイントだ。

なお、遠方からの遠征でいえば、やはり今回は東北ということもあり西からのエントリーは少ないが、兵庫県からチームナガオとTIGREがエントリーしてくれた。どちらが遠いかといえば、数百メートル差でTIGREが遠いのでTIGREが最遠クラブとなりそうだ。


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