地方カート選手権鈴鹿シリーズ第5戦
鈴鹿選手権最終戦(第7戦)

■開催日:12月2〜3日 ■開催地:鈴鹿サーキット南コース ■天候:晴れ Photo&Report:藤原浩(本誌)
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箕浦稜己、驚異の4連勝で地方戦タイトル獲得!!
鈴鹿選手権各クラスも熱戦を展開!!

今季の日本選手権(全日本・ジュニア・地方選手権)の中で、唯一タイトルが決していなかった地方選手権鈴鹿シリーズの最終戦が、12月2〜3日に鈴鹿選手権最終戦(第7戦)と併催で開催された。

地方カート選手権鈴鹿シリーズ第5戦
箕浦が逃げ切り
4連勝でタイトル獲得!


この大会を迎えた時点で、タイトル争いに残るのはランキングトップの酒井龍太郎を筆頭に、中井悠斗、鈴木恵武、箕浦稜己、松本琉輝斗の5人。そして最も優位に立つのが、実はランキング4位の箕浦だった。

箕浦は開幕戦をノーポイントで終えて以降、第2戦から3連勝を挙げ、今大会の獲得ポイントすべてが有効カウントに上積みされる。そのため、5位以上に入ることで自力タイトル決定となるのだ。その他4人は、自身が箕浦より上位でフィニッシュし、その上で箕浦の順位次第となる。ただ、このうちランキング3位の鈴木が欠場したことでタイトル争いは実質4人の戦いとなった。

決勝日は朝から青空が広がり、時折雲が日差しを遮る時間もあったものの、終始ドライコンディションでレースは進行。朝一番のQPでトップタイムをマークしたのは、地元の松井海翔。今季、尻上がりに調子を上げる松井が初の予選ポール獲得となった。2番手に田邊琉揮、箕浦は3番手、酒井4番手、中井7番手、松本15番手。

10周の予選ヒート。スタート直後の1コーナーで多重クラッシュが発生し、多くは再スタートしたが2台は動けず。その中に、中井が含まれ、兄弟でのシリーズ連覇を狙う中井にとっては、痛いリタイアとなった。レースは、箕浦が先頭に出て酒井、田邊らを従えたままチェッカー、決勝PPを獲得する。

迎えた決勝ヒートは16周。このヒートでトップを走ったのが田邊だ。箕浦は田邊の後方でチャンスを伺い、さらに酒井、佐藤佑月樹らが続いた。

終盤、勝負を仕掛けた箕浦が田邊をかわして逆転。田邊も箕浦に食らいつくが、箕浦が逃げ切って4連勝。これでカートは一区切りという箕浦が、最後にJAFタイトルを獲得した。 このフィニッシュにより今季のJAF日本選手権は全部門でチャンピオンが揃った。


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▲第2戦からの4連勝でタイトルを獲得した箕浦稜己

Photos
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▲箕浦と真っ向勝負を演じた田邊琉揮。来季へ期待を抱かせる2位

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▲逆転タイトルを狙っていた酒井龍太郎は4位に終わる

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▲最後、3位に上がってチェッカーとなった佐藤佑月樹

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●FS-125(20台)
Pos. No. Driver Team
1 55 箕浦稜己 BirelART West
2 21 田邊琉揮 HRS JAPAN
3 11 佐藤佑月樹 RT WORLD
4 44 酒井龍太郎 K.SPEED WIN
5 27 松井海翔 HKC
6 33 松井沙麗 K.SPEED WIN
7 34 岡澤圭吾 HRT with カローラ新茨城CSI Racing
8 14 武藤雅奈 TAKAGI PLANNING
9 42 白石 庵 HRS JAPAN
10 5 冨田真弥 EHRE MOTOR SPORTS


●FS-125(20台)
Pos. No. Driver Team Frame Engine Tyre Q.P. Q.H.
1 55 箕浦稜己 BirelART West birelART IAME DL 49.276 3 1
2 21 田邊琉揮 HRS JAPAN KOSMIC IAME DL 49.171 2 3
3 11 佐藤佑月樹 RT WORLD EXPRIT IAME DL 49.501 8 4
4 44 酒井龍太郎 K.SPEED WIN DragoCORSE IAME DL 49.279 4 2
5 27 松井海翔 HKC KOSMIC IAME DL 49.132 1 6
6 33 松井沙麗 K.SPEED WIN DragoCORSE IAME DL 49.308 5 5
7 34 岡澤圭吾 HRT with カローラ新茨城CSI Racing KOSMIC IAME DL 49.810 17 18
8 14 武藤雅奈 TAKAGI PLANNING EXPRIT IAME DL 49.416 6 19
9 42 白石 庵 HRS JAPAN KOSMIC IAME DL 49.571 11 9
10 5 冨田真弥 EHRE MOTOR SPORTS DragoCORSE IAME DL 50.280 19 11


カデットオープン
劇的な幕切れ
今村昴星が初優勝!!


すでに森谷永翔がチャンピオンを決めているカデットオープン。今回は森谷がひと足早くSSクラスにデビューしたため、新チャンピオン森谷不在のなか20台でのレースとなった。

QPトップタイムをマークしたのは今村昴星、2番手に島津舞央が続く。予選では4番手スタートだった中野貴介が逆転でトップチェッカーを受け、決勝のPPを獲得。

12周の決勝ヒート。フロントローからスタートした中野と島津がトップ争いを展開。島津がトップで終盤戦を迎えると、最終ラップのヘアピンでインを閉める島津、さらにそのインをこじ開けようとする中野がともに苦しいラインで立ち上がり。

両車の加速が鈍ったところで、するすると前に出ていったのが3番手につけていた今村だった。今村はそのまま先頭に出ると、最終コーナーもきれいに回ってトップチェッカー。見事な逆転劇で鈴鹿選手権初優勝を飾った。


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▲虎視眈々と冷静な走りを見せ、劇的な優勝を飾った今村昴星

Results
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カデットオープン(22台)
Pos. No. Driver Team
1 33 今村昴星 HIGUCHI RACING TEAM
2 64 中野貴介 LUCE Motor Sports
3 14 新橋 武 Sigma Racing
4 89 北中一季 PONOS HIROTEX RACING
5 44 種田隆威 RRR(トリプルR)
6 17 島津舞央 ERS with SACCESS
7 93 下羅睦貴 チームナガオ
8 36 赤池凛翔 GRG with HIGUCHI
9 68 Cai Jun Qing RANXING
10 86 刈米悠人 ONE POINT


アヴァンティクラス
優勝は逆転で小川昌悟
チャンピオンは奥村泰生が獲得!!


ランキングトップの奥村泰生が16Pリードで迎えた最終戦には、15台が参加。まずQPでは今季初登場となる小川昌悟がトップタイムをマークする。

小川は予選でもトップチェッカーを受けるのだが、スタート違反のペナルティが科せられて決勝は3列目スタートへ降格。かわって室谷匠が決勝PPを獲得した。  

決勝では、その室谷が序盤からレースを引っ張っる展開に。後続をやや引き離して周回を重ねていく室谷だったが、徐々に追いついてきたのが、やはり小川。

中盤、小川は室谷をかわしてトップに躍り出る。その後は両者接近したまま周回を重ねるが順位の変動はおこらず、小川が優勝、そして室谷2位で1−2フィニッシュを達成した。

3位にはランキング2位の岡部雅が入ったが、ランキングトップの奥村も5位フィニッシュとなったことで、奥村がシリーズチャンピオンを獲得した。

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▲今季初登場で優勝した小川昌悟
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▲ポイントリードを活かして5位フィニッシュでチャンピオンを獲得した奥村泰生

Results
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AVANTI(15台)
Pos. No. Driver Team
1 19 小川昌悟 TokoSport with KC NAGAHARA
2 63 室谷 匠 TokoSport with KC NAGAHARA
3 6 岡部 雅 club マイム
4 58 井上繁和 KC NAGAHARA
5 26 奥村泰生 ハラダカートクラブ
6 1 渡邉 僚 ASH
7 77 奥村 真 RSスギムラ
8 27 菅 祥二 ハラダカートクラブ
9 12 村田 寛 FORMATION LAP Racing
10 11 伊左治尚彦 ASH with RT熊


ヤマハ SSクラス
まさかの幕切れ! 高村宏弥が優勝、
村松伸一がチャンピオンへ!


ランキングトップの寺島知毅が68P、2位の久冨圭が58P、3位の村松伸一が57Pと上位陣が接近した状況で迎えた最終戦。

今回も41台エントリーと多くのドライバーが参戦し、2組に別れたQPでは上田凌成、寺島がそれぞれトップタイムをマーク。予選では1組で久冨がトップチェッカー、2組は村松がトップチェッカーとなり、レースタイムの良かった2組が優先となって村松が決勝PPを獲得。ここでPPポイント2Pを加算した。  

決勝では、藤村太郎が好調な走りを見せるとトップで集団を引っ張っていく。その藤村をピッタリとマークしたのは久冨、やや離れて高村宏弥、大槻直、村松、寺島らが続いた。

藤村は久冨を従えたまま周回を重ねていき、勝負は終盤戦へもつれ込む。ここで久冨が動いて藤村を逆転。そのままトップでフィニッシュラインに飛び込んだ。

その後方、最終コーナーではタイトルを争う村松と寺島がまさかの接触でコースアウト、さらに藤村もグラベルに捕まってしまう。藤村、寺島はこれでリタイア。村松は何とか立て直してフィニッシュラインを通過する。

この時点でタイトルは優勝した久冨が獲得したかと思われたが、レース後の車検でエンジンのスキッシュが規定違反と発覚、これで久冨は失格となってしまい、高村が繰り上がりで優勝となった。

タイトルは接触から立ち直った村松が6位に入ったことでボーナスポイントも含めてトータル70Pまで伸ばすことに成功し、逆転タイトル獲得となった。

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▲繰り上がりながら優勝でシーズンを締めくくった高村宏弥
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▲劇的な幕切れで、タイトル獲得となった村松伸一

Results
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YAMAHA SS(41台)
Pos. No. Driver Team
1 16 高村宏弥 Higuchi Racing Team
2 96 吉井亮仁 PROJECT Y
3 32 大槻 直 ASH
4 17 澤田寛治 のりものくらぶTIGRE
5 63 高木彪乃介 A TEAM Buzz Racing
6 33 村松伸一 ハラダカートクラブ
7 7 大島良介 RS-1
8 13 森 建人 M TECH SPORTS
9 1 角 陽向 FLAX motorsports
10 37 佐藤琉葵 DSM


スーパーSSクラス
優勝は佐々木克行、
タイトルは坂裕之が獲得


ランキングトップの坂裕之と2番手の佐々木克行、この2人に絞られたタイトル争い。坂は13Pのリードを築き、優位の状態で最終戦を迎えていた。

QPでは1組が光田拓、2組では坂がトップタイム。佐々木は2組で坂に続く2番手タイムをマークする。続く予選ヒートでも、1組は岸秀行、2組は坂、佐々木の順でチェッカーとなり、規定によって坂が決勝PPを獲得、そしてPPポイントを加算、タイトルに王手をかけた。  

決勝でも坂が好スタートからレースをリードしていき、一時は後続を引き離して周回を重ねる場面も。しかし、やはりというか終盤に坂に接近してきたのが佐々木だ。ジリジリと坂に迫っていくと、ラスト2周で逆転に成功。

その後は坂を従えて最終ラップを走り切った佐々木。坂もタイトルを考えてか無理な勝負を仕掛けることはなく、両者ともに右手を高々と掲げながらチェッカーをくぐると、優勝は佐々木、チャンピオンは坂が獲得した。

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▲優勝1佐々木克行とチャンピオン3坂裕之。共にガッツポーズでフィニッシュラインを通過していく
Results
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SUPER SS(46台)
Pos. No. Driver Team
1 1 佐々木克行 がががが”が”むしゃら ひすとりー
2 3 坂 裕之 のりものレンタカー沖縄那覇TIGRE
3 30 平野伸一 サーティーズレーシング
4 19 岸 秀行 チームナガオ・大阪鶴見法律事務所
5 6 光田 拓 M Sistem
6 2 野嵜弘樹 モアコラージュTQS
7 40 植田春樹 M Sistem
8 13 松村元晃 ハラダカートクラブwith上村工房
9 33 増田貴久 ますかけ
10 28 山東功佳 BRAVO-RACING


ロックシフタークラス
丸山陽平が初優勝!
タイトルは東拓志が連覇!!


ギアボックスカートを使用するROK-SHIFTERクラス。今大会の位置づけとしては、鈴鹿選手権の最終戦であるとともに、'23−'24シーズンのROK CUP幕開けともなる。

今大会には16台が参加し、うち7台がマスタークラスとなっていた。鈴鹿のタイトル争いはトップ東拓志と豊島里空斗の一騎討ちという状況。

QPでは丸山陽平がトップタイム、2番手に富田星羅が続き、東4位、豊島7位。予選でも丸山、富田のトップ2は変わらず、決勝フロントローを獲得する。  

決勝。スタートを決めた丸山に対して富田は大きく遅れてしまい、2番手には東、3番手にスポット参戦の三宅陽大が浮上。丸山と東は、一時接近するも徐々に丸山が引き離し、上位陣はそれぞれに単独走行になっていった。

レースはトップの丸山がそのまま逃げ切って今季初優勝。そして2位に入った東がタイトルを獲得した。  

35歳以上のマスタークラスは、復帰戦となる岡本孝之がリードするも、小林弘直が逆転に成功。今季のチャンピオンも確定させている小林が優勝を飾った。

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▲完ぺきな内容で優勝した丸山陽平
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▲クラス連覇を達成した東拓志
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▲35歳以上のマスタークラスを制した小林弘直

Results

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▲ロックシフタークラス表彰台
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▲ロックシフター・マスタークラス表彰台


ROK-SHIFTER(16台)
Pos. No. Driver Team
1 26 丸山陽平 HRT
2 1 東 拓志 NEXT-ONE Racing
3 51 三宅陽大 ぴぃたぁぱん
4 73 豊島里空斗 HRT CSI Racing JURAN μ
5 10 水越健太 MOMOX KART RACING
6 77 伊藤慎之典 HRT
7 33 保下聡一朗 FLAX MOTOR SPORT
8 88 小林弘直(M) HRT
9 66 富田星羅 KP BUZZ
10 21 岡本孝之(M) ハラダカートクラブ



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