2023 ROTAX MAX Festival in FestikaCircuit MIZUNAMI

Micro MAXクラス
■開催日:9月30日〜10月1日 ■開催地:フェスティカサーキット瑞浪(岐阜県) ■天候:雨  ■参加台数:22台 ■周回数:15 ■Photo&Report:小出直人(本誌)
完璧な内容でのWIN!
新橋武がマイクロクラスを圧勝!!


前日、土曜日の予選レースは夏日のもとで行われたが、打って変わって決勝日は朝から雨。プレファイナルが始まる頃は雷鳴を伴ったゲリラ豪雨まで押し寄せるという悪コンディションとなったMAX FESTIVAL。

まず、最初の決勝はマイクロクラスからスタートする。 ポールポジションは予選から絶好調をキープするランキングリーダーの藤原迪永(みちなが)。22台の頂点、決勝ポールポジションを獲得すると優勝候補筆頭に名乗りを上げた。 ウェットタイヤが指定されるが雨は小康状態、路面も回復基調のなかで決勝はスタートする。

ホールショットを決めたのは藤原で、その後方に付けるのが2番グリッドスタートの新橋武。2台はオープニングラップから激しい攻防戦を展開、さらに3番手の飯田一仁ら数台のマシンが加わると混戦状態の模様になっていった。 早い段階からトップに立った新橋はハイペースで周回を回ると、徐々に2番手以下の集団を引き離しにかかる。

一方、セカンドグループは4台のバトルで目まぐるしく順位を入れ替える接戦に。これもトップを逃げる新橋には有利に働き、その差は秒単位で広がっていく。 ここまでリードが広がれば2番手を走る藤原はシリーズチャンピオンを確実にしたいところ。トップの新橋はランキング2位だが、ポイントリーダー藤原との間には大きな開きがあり、藤原が10位以下に落ちてもその差は埋まらない。そのため、藤原はこのまま無事にチェッカーまでマシンを運べばチャンピオンが確定するわけだ。

しかし、守りのレースを良しとしない藤原は果敢にバトルに身を投じると2位をキープしてチェッカー。この瞬間、シリーズチャンピオン、そして日本代表として中東バーレーンで開催されるMAX使いの世界一決定戦、グランドファイナルの切符も手にした。

一方、ファステストラップを刻みつつ圧倒的なリードで勝利した新橋は「後ろは離れていましたが、それでもいつ迫ってくるか分からないので、ずっと緊張したまま走っていました」という。全国レベルの猛者が控える後方グループからの強烈なプレッシャーをはね除けたことが一番の勝因だったという新橋、来年こそはチャンピオンとして世界戦を戦いたいと笑顔でコメントを残した。
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▲2位以下を大きく突き放した展開のままに見事なファーストチェッカーをくぐり抜けた新橋武

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▲激しい攻防戦の末に2位に入った藤原がシリーズチャンピオンを獲得

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▲セカンドグループで展開したハイレベルな戦いのなか、3位に入ったのが飯田だ

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▲暫定表彰式。中央が優勝の新橋、左が2位の藤原。3位は刈米敦哉が入るが車検で失格となってしまった

Micro MAX
Pos. No. Driver Team Flame Best lap
1 5 新橋武 DragoCORSERMCRacingTeam Crocpromotion 55.818
2 1 藤原迪永 SO-STYLE DAP 56.047
3 14 飯田一仁 TAKAGI PLANNING EXPRIT 56.084
4 4 芝崎壱飛 WITH Racing Club+グローパル Crocpromotion 56.146
5 9 細川瑛斗 SD-STYLE EXPRIT 55.968
6 2 柴崎尊 HRS JAPAN Falcon 56.822
7 15 Hank Lai Team Global Falcon 56.517
8 21 森一真 NEXT-ONE Racing Falcon 56.079
9 8 鶴貝拓海 SD-STYLE DAP 56.628
10 6 石迫伝馬 AAA motor sports Praga 57.017
Micro MAX
Pos. No. Driver Team
1 5 新橋武 DragoCORSERMCRacingTeam
2 1 藤原迪永 SO-STYLE
3 14 飯田一仁 TAKAGI PLANNING
4 4 芝崎壱飛 WITH Racing Club+グローパル
5 9 細川瑛斗 SD-STYLE
6 2 柴崎尊 HRS JAPAN
7 15 Hank Lai Team Global
8 21 森一真 NEXT-ONE Racing
9 8 鶴貝拓海 SD-STYLE
10 6 石迫伝馬 AAA motor sports
Jnior MAX
Pos. No. Driver Team Flame Best lap
1 2 遠藤新太 AAA motor sports EXPRIT 51.557
2 8 田邊琉揮 HRS JAPAN KOSMIC 51.248
3 1 Quinten Lu TEAM EMATY EXPRIT 51.403
4 19 小野原悠 HRS JAPAN KOSMIC 51.643
5 11 白石庵 HRS JAPAN KOSMIC 51.689
6 6 手塚大雅 DragoCDRSERMCRacing Team DragoCORSE 51.36
7 14 白石麗 HRS JAPAN KOSMIC 51.947
8 4 石部壮太郎 ERS with SACCESS KOSMIC 51.998
9 12 吉田侍玄 RT WORLD TONYKART 51.91
10 21 常川将太郎 Tぷる一と Praga 51.76
Junior MAXクラス
■開催日:9月30日〜10月1日 ■開催地:フェスティカサーキット瑞浪(岐阜県) ■参加台数:30台 ■周回数:20 ■天候:雨 ■Photo&Report:小出直人(本誌)
中盤に逆転した遠藤新太、
ポールtoウィンで勝利!!


雨が小康状態となり、このクラスからタイヤが選択制となる。ほとんどのドライバーはレインタイヤを選択したが、スリックタイヤで勝負に出るマシンも数台いたようだ。

決勝ポールポジションは瑞浪を得意とする遠藤新太、セカンドは同じく瑞浪を熟知するQulnten Lu。このクラスはシリーズチャンピオンの可能性を残す選手が10名以上も存在するため、ひと波乱起これば大どんでん返しが見られる可能性もある。

決勝ホールショットは無難にPP遠藤が決めてきた。序盤から遠藤とQulntenのトップ争いに拍車が掛かるが、そこに田邊琉希や小野原悠らが加わり複数台のバトルへと展開。 レース中盤、田邊がトップに立つとファステストを刻みながらリードを広げていった。

その後方、2番手争いが団子状態になるにつれて田邊の有利が色濃くなっていく。このあたりから周回遅れがポツポツと出始め、青旗によりレースから除外されていく選手も。なお、スリック勢の読みは外れ、完全にレインの独壇場となっていた。

レース終盤、雨足が強くなり路面コンディションに変化が起こる。これが契機となったか田邊のリードが削られていくと、ついには1コーナーで遠藤が逆転に成功してトップが入れ替わった。

遠藤はその勢いのままにラストスパートを掛けるとポールtoウィン。2番手にドロップした田邊はQuintenとの激しいバトルになるが、これを制して2位、そしてシリーズチャンピオンは3位のQuintenが獲得した。

優勝の遠藤は「バトルが思った以上に激しくてタイヤが厳しくなりそうだと思っていました。途中、周りが速くて追いつける自信がなかったけど抜けて良かったです。2年振りのフェスティバル優勝で凄く嬉しい。メカニックのアドバイスが一番の勝因に繋がったと思います」とコメントを残す。
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▲控え目なポースでチェッカーを受ける遠藤新太
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▲30台ものカート群が1コーナーへとなだれ込むスタートはまるで大きな生き物のよう
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▲田邊琉揮とQuinten Luの2位争い。どちらも一歩も退かない名バトルが繰り広げられた
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▲暫定表彰式。中央が優勝の遠藤、左が2位の田邊で3位はQuintenが入った
Jnior MAX
Pos. No. Driver Team
1 2 遠藤新太 AAA motor sports
2 8 田邊琉揮 HRS JAPAN
3 1 Quinten Lu TEAM EMATY
4 19 小野原悠 HRS JAPAN
5 11 白石庵 HRS JAPAN
6 6 手塚大雅 DragoCDRSERMCRacing Team
7 14 白石麗 HRS JAPAN
8 4 石部壮太郎 ERS with SACCESS
9 12 吉田侍玄 RT WORLD
10 21 常川将太郎 Tぷる一と
Jnior MAX
Pos. No. Driver Team Flame Best lap
1 2 遠藤新太 AAA motor sports EXPRIT 51.557
2 8 田邊琉揮 HRS JAPAN KOSMIC 51.248
3 1 Quinten Lu TEAM EMATY EXPRIT 51.403
4 19 小野原悠 HRS JAPAN KOSMIC 51.643
5 11 白石庵 HRS JAPAN KOSMIC 51.689
6 6 手塚大雅 DragoCDRSERMCRacing Team DragoCORSE 51.360
7 14 白石麗 HRS JAPAN KOSMIC 51.947
8 4 石部壮太郎 ERS with SACCESS KOSMIC 51.998
9 12 吉田侍玄 RT WORLD TONYKART 51.910
10 21 常川将太郎 Tぷる一と Praga 51.760
MINI MAXクラス
■開催日:9月30日〜10月1日 ■開催地:フェスティカサーキット瑞浪(岐阜県) ■天候:雨 ■参加台数:25台 ■周回数:15 ■Photo&Report:小出直人(本誌)
2年連続日本代表の坂野太絃、
激しいトップ争いを勝利!!


降ったりやんだりと落ち着かない雨空で迎えたミニクラス決勝ヒート。グリッドはポールポジションに元田心絆。セカンドが坂野太絃、そして3番グリッドは楠本心真というオーダー。

まずは順当にPP元田がホールショットを獲得、その後ろには数珠つなぎで複数のマシンが連なっていく。 オープニングラップから数台のマシンによるクラッシュもあったが、トップグループでは早速、坂野が仕掛けてトップ交代。この2台は序盤から激しいつばぜり合いを始めると一進一退のパッシングショー、そしてその背後を静かに見守るのが林樹生と柴崎尊の2台という展開だ。

周回を重ねていくと後方2台が元田と坂野のペースに追いつけなくなっていき、トップ争いはマッチレースの装いを見せていく。 主要コーナーごとにトップの入れ替えが頻繁に起こるが、両車とも抜きかたが非常にスマート。お互い、相当の自信があるのが見て分かり、抜かれても焦ること無く、次の逆転所を探しだす姿勢はミニクラスながらもベテラン、いぶし銀の走りのようだった。

このバトルを心底、楽しんだという坂野は7位以上でチャンピオン確定という圧倒的有利な立場ながらも勝って終わりたい気持ちが強く表れ、また大観衆からの応援の声に押されるように攻めの姿勢を崩さない。

そんな坂野と遜色ない闘志を見せる元田は最終ラップ、あらゆるチャンスゾーンで仕掛けていくのだが、坂野は自身のアドバンテージを活かしてラストスパートに入ると、そのままトップでチェッカーを迎えた。

優勝した坂野はこれで2年連続の日本代表に輝く。 2位に元田、そして3位には林が入るが林は車検失格で繰り上がりによって柴崎が3位入賞という結果となった。 坂野は「たくさんの応援のなかで緊張したけど、バトルがもの凄く楽しくて、それに勝てたことがもっと嬉しかったです。1年間頑張ってきましたが最後に日本一になれたのが凄い嬉しいです!」とコメント。
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▲高々と腕をあげて接戦を勝利したことを喜ぶ坂野太絃
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▲終始、坂野との素晴らしい攻防戦を見せてくれた元田は最後にあと一歩届かず2位でフィニッシュを迎えた
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▲トップ2台に引き離されてしまったことで苦しい展開となったが3位に入った柴崎
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▲暫定表彰式。中央が優勝の坂野、左が2位の元田、3位の林はフロートレベル違反により失格となってしまう
MINI MAX
Pos. No. Driver Team
1 1 坂野太絃 KP BUZZ
2 3 元田心絆 AP SPEED with SOVLA
3 4 柴崎尊 HRS JAPAN
4 7 河内嵩都 AAA motor sports
5 12 南崎高志 HRS JAPAN
6 2 森谷永翔 ERS with SACCESS
7 9 Eason Tseng How Racing
8 14 Lee Minjae LUCE Motor Sports
9 6 井ノ瀬喜仁 ハルナカートクラプ
10 23 Liu Xiao Lei RANXING
MINI MAX
Pos. No. Driver Team Flame Best lap
1 1 坂野太絃 KP BUZZ DAP 57.325
2 3 元田心絆 AP SPEED with SOVLA Falcon 57.188
3 4 柴崎尊 HRS JAPAN Falcon 57.917
4 7 河内嵩都 AAA motor sports EXPRIT 57.380
5 12 南崎高志 HRS JAPAN energyCORSE 58.014
6 2 森谷永翔 ERS with SACCESS PAROLIN 57.727
7 9 Eason Tseng How Racing Falcon 58.100
8 14 Lee Minjae LUCE Motor Sports KR 57.896
9 6 井ノ瀬喜仁 ハルナカートクラプ KR 57.955
10 23 Liu Xiao Lei RANXING Falcon 58.295
MAX Mastersクラス
■開催日:9月30日〜10月1日 ■開催地:フェスティカサーキット瑞浪(岐阜県) ■天候:雨 ■参加台数:34台 ■周回数:18 ■Photo&Report:小出直人(本誌)
マスターズ初優勝!!
大勝負の末の日本一は木村一眞


予選落ちもある厳しい戦いを勝ち上がり、決勝ポールポジションを獲得したのが木村一眞。その隣、セカンドグリッドには岡本旬司が並ぶ。そして過去最多のフェスティバル優勝経験を持つ久保誠は、プレファイナルまで破竹の進撃を続けてきたが、ここでクラッチの寸法違反により失格。これが響いて決勝は11番グリッドからトップを望むことになった。

雨はほぼあがり、路面も回復基調に向かうなかスタートが切られる。 オープニングラップでポイントリーダーの堀 大輔がスピンすると、早々にトップ争いから離脱してしまう波乱の展開。 一方、久保はするすると順位をあげて早くもトップグループを視界に収めていった。

トップを快走するのはPP木村で、そのすぐ後ろに加藤雅規、そして杉山健吾と続く。このトップグループは6台ほどのマシンが等間隔に並ぶ配置で形成され、静かな展開のままレース中盤へと差し掛かっていくが、やがて トップ2台がペースを上げると集団から抜け出していく。

そこで激しくなってきたのが3番手争いだ。杉山と山﨑学のバトルを見据えつつ漁夫の利を狙う久保というオーダーから大きく順位が入れ替わりそうな予感。 レースも終盤に向かう頃、久保は3番手までジャンプアップしてきたがしかし、トップ2台とはまだ大きなリードがある。久保にとってはトップ争いに拍車がかかりペースダウンを期待したいところ。

そんな久保の前に割って入ったのが岡本旬司だった。ここからバトルが佳境に入ると思われたのも束の間、岡本と久保が絡んでしまった。久保は何とか復帰するが岡本は戦線離脱。 白熱する3番手争いを尻目にお互い、手の内を知り尽くす仲という木村と加藤はチェッカーに向かって周回を重ね、3番手以降を大きく引き離しての一騎打ち状態。

最終ラップまで様子見に徹していた加藤が動いたのは2コーナー。最後に仕掛けてくると予想していた木村だが、やや距離があったことでこの仕掛けは想定外だったという。しかしこれを冷静にいなすと慌てること無くクロスラインで差し返し、そのまま加藤を従えてチェッカー、ポールtoウィンで日本一達成。

3位は途中、激しく接触した後に大きくドロップした久保が再び舞い戻ってチェッカーをうけたが、そのアグレッシブすぎた走りからヒート失格の裁定がくだされ、変わって山崎が3位入賞。 優勝した木村は「路面がみるみる変わっていくので、先頭では色々と考えながら走らないといけなくてプレッシャーも大きかったです。変化が激しい路面に対してうまくマッチできたのが勝因だったと思います」と笑顔でコメントを残した。
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▲終始、冷静な走りに徹していた木村一眞が最後までトップを守りきって勝利を手にした
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▲激しい3番手争いのなか、サバイバル戦を生き残り3位に入賞した山崎
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▲トップ2台に引き離されてしまったことで苦しい展開となったが3位に入った柴崎
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▲暫定表彰式。中央が優勝の木村、左が2位の加藤で3位には山崎が入った
Senior MAX
Pos. No. Driver Team
1 10 木村一眞 KAKIE Racing
2 2 加藤雅規 Triple-K & MOMOX
3 9 山崎学 トレンタクワトロ鈴鹿
4 18 谷田幸史 JURAN Rad旧withTeam Global
5 3 岡本旬司 メカニコ/ヒーローズ
6 22 金韓奎 LUCE Motor Sports
7 13 帰山洋一 T.グローパル
8 17 杉山健吾 T.グローパル
9 11 岸本慎介 HEROes
10 37 進藤翔太 T.グローパル
Senior MAX
Pos. No. Driver Team Flame Best lap
1 10 木村一直 KAKIE Racing DragoCORSE 51.131
2 2 加藤雅規 Triple-K&MOMOX DAP 50.994
3 9 山崎学 トレンタクワトロ鈴鹿 DAP 51.173
4 18 谷田幸史 JURAN Rad旧withTeam Global KOSMIC 51.506
5 3 岡本旬司 メカニコ/ヒーローズ KR 50.745
6 22 金韓奎 LUCE Motor Sports TONYKART 51.513
7 13 帰山洋一 T.グローパル DragoCORSE 51.593
8 17 杉山健吾 T.グローパル KOSMIC 51.546
9 11 岸本慎介 HEROes Crocpromotion 51.649
10 37 進藤翔太 T.グローパル DragoCORSE 51.021
Senior MAXクラス
■開催日:9月30日〜10月1日 ■開催地:フェスティカサーキット瑞浪(岐阜県) ■天候:雨 ■参加台数:34台 ■周回数:23 ■Photo&Report:小出直人(本誌)
大混戦を制して
玉橋悠月が初の日本一へ!


今大会が記念すべき20周年という節目を迎えたマックスフェスティバルの大トリを務めたのがシニアマックスクラスだ。周回数もクラス中、最大の23周で、どの周回においてもドラマチックな戦い満載、盛りだくさんのレースに期待大だ。

さて、決勝ポールポジションは熊谷憲太、セカンドは酒井仁と、共に劣らぬ実力者がセカンドローを陣取る。 レーススタート。ホールショットを決めた熊谷を先頭にほぼ間髪入れずに数十台ものマシンがまるで河のように2コーナーへとなだれ込む。すでに路面は所々で乾いている場所も見受けられ、よりハイペースなバトルが展開していく。

トップ集団は6台以上のマシンで形成されており、例えトップ選手でもワンミスで大きく順位がドロップする緊張感溢れるシチュエーション。さらに第2集団以降がこれまた多くのマシンが控える大集団として控えるため、より気の抜けない展開は続く。

それでも周回を重ねていけば絡まる糸がほぐれるように、少しずつ順位が整っていった。しかしそれを良しとしないトップグループでは激しい順位争奪戦が再び勃発、これがペースダウンを導き、セカンドグループが追いついてくると事態はより混沌とした状況へ。

レースも中盤を過ぎた頃、たこつぼで酒井が落合蓮音の前に出てトップを奪取しようと試みたところで落合が酒井に接触、ここで不安定な姿勢だった酒井はスピンを喫して戦線離脱を余儀なくされてしまった。これによってトップ集団の隊列が乱れると酒井涼と玉橋悠月が抜け出すが、それも束の間、すぐに後方マシンが迫ってきて最終ラップでは4台以上のバトルに発展していく。

最終コーナーを駆け上がりチェッカーに向かうのは玉橋悠月と玉橋陸斗という兄弟同士のランデブー、そして3位には酒井が飛び込んだ。しかし、陸斗にはエッジイン(無理な突っ込み)、酒井はフェアリングペナルティが科せられ、順位は変わって2位に白石いつも、3位は熊谷へ変更となる。

優勝した玉橋は「路面が雨上がりで所々濡れている場所もあって、抜く際に滑って当たらないように見極めつつ、展開も自分で作り出していくように心掛けていました。フロントカウルを入れたらもう終わりだから、とにかく当たらないこと、クラッシュしないことに注意を払い、抜く時は乾いているレコードラインを狙っていきました。優勝はもちろん嬉しいけど、とにかく目標だったグランドファイナルに行けることが一番嬉しいです」。厳しいレースを戦い抜いた玉橋、次はいよいよ世界を舞台にその腕を奮う。
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▲混戦に次ぐ混戦、360度ライバルだらけというシビアな戦いで優勝した玉橋
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▲紅一点の白石いつもが14番グリッドから大躍進の2位獲得。間違い無く日本一速い女子ドライバーだ
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▲途中、苦しいレースを強いられる場面も多かった熊谷がプライドを守る3位。グランドファイナル行きも決定
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▲暫定表彰式。中央が優勝の玉橋、左が2位の白石で3位が熊谷
Senior MAX
Pos. No. Driver Team
1 11 玉橋悠月 30'S Racing
2 30 白石いつも HRS JAPAN
3 1 熊谷憲太 KP BUZZ
4 12 高野祐太 パワーワークス
5 15 中島獅王 BUNZou RA□NGwith WISE
6 28 乾弥真人 LUCE Motor Sports
7 52 玉橋陸斗 30'5 Racing
8 9 西田光来 30'5 Racing
9 3 小島風太 WAIBLINGEN
10 62 岡澤圭吾 LUCE Motor Sports
Senior MAX
Pos. No. Driver Team Flame Best lap
1 11 玉橋悠月 30'S Racing TONYKART 46.339
2 30 白石いつも HRS JAPAN KOSMIC 46.143
3 1 熊谷憲太 KP BUZZ KR 46.273
4 12 高野祐太 パワーワークス TONYKART 46.361
5 15 中島獅王 BUNZou RA□NGwith WISE DragoCORSE 46.133
6 28 乾弥真人 LUCE Motor Sports KOSMIC 46.253
7 52 玉橋陸斗 30'5 Racing TONYKART 46.144
8 9 西田光来 30'5 Racing KOSMIC 46.394
9 3 小島風太 WAIBLINGEN TONYKART 46.249
10 62 岡澤圭吾 LUCE Motor Sports KOSMIC 46.259
ジャンケン大会〜2023シリーズ表彰式

盛りだくさんのレースと同時に、マックスフェスタはレース以外でも熱いイベントが用意されているのだ。
ここでは白熱したジャンケン大会の様子と、フェスタ終了後に行われた2023年ROTAX MAX CHALLENGE SERIESの年間シリーズ表彰式を紹介していこう!

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▲雨の間隙を突いての集合写真。みんな濡れないでよかった
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▲ある意味、最も盛り上がったエンジンを掛けたジャンケン大会。なぜにエンジンを拝み倒すのか(笑)
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▲向かい合ってのジャンケン。真剣勝負の一喜一憂ドラマがあって、やがて人数は絞られて
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▲最後の二人が一騎打ち。そしてエンジンを手にした勝者はチョキを出した……
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▲ミニマックスに参戦の深町健夫選手だー!「皆、強そうでめっちゃ緊張しました」とレース同様の感想です。来年はジュニアにステップアップ予定
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▲栄光代表の松堂さんと記念ショット。これだけ喜んでくれたら松堂さんも嬉しいですね
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▲世界の強豪たちと競い合うGrand Final第22回大会は、2023年12月2日〜12月9日にわたって中東はバーレーンで開催! 今回のフェスにて日本代表選手が決定しました。代表選手はマイクロ藤原迪永、ミニクラス坂野太絃と元田心絆、ジュニアクラスQuinten Luと遠藤新太、シニアは熊谷憲太と玉橋悠月。ほかにDD2クラスからの4名が加わり、総勢11名の選手が日の丸を背に世界一を掛けて戦います!
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マイクロクラスのシリーズ表彰式
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ジュニアクラスのシリーズ表彰式
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ミニクラスのシリーズ表彰式
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マスタークラスのシリーズ表彰式
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シニアクラスのシリーズ表彰式
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